2019年6月24日から東京を除くUber Eatsのエリアで報酬体系の改定がありました。
Uberからの事前の通知では45%の底上げがあるとのことでしたが、実際どの程度変化があったのかを考察してみます。
計算上は長距離配達がマイナス
少し前にTwitterにこんなグラフを投稿したらそれなりの反響がありました。
グラフから読み取れるのは、短距離では旧報酬体系より新報酬体系のほうが高く、距離が伸びるにつれ旧体系を下回っていくということです。
長距離が不利になったので、「Uberは報酬を下げた」という声もありましたが、実際のところどうなのかデータで確かることにしました。
料金改定前後の配達単価
【注意】 このデータは僕個人のデータなので個人差があると考えられます。 あくまで参考としてお読みください。
改定前と改定後の結果を比較してみます。
改定前は5月20日〜6月23日の約1ヶ月間の384回、改定後は6月24日〜7月16日の約3週間の387回のデータで比較します。
この数値は日またぎクエスト・雨クエストを除いた純粋な配達報酬だけで比較します。
配達回数 | ブースト加算前報酬 | ブースト加算額 | 報酬合計 | 配達単価 | |
改定前 | 384 | 120,663 | 55,175 | 175,838 | 458 |
改定後 | 387 | 170,752 | 8465 | 179,217 | 463 |
まさかの配達単価はほぼ同額…というか少し(1.1%)上がってる。
僕は改定前も後もブーストはほとんど気にせず稼働しているので、改定前に高ブースト狙いで稼働していた場合、改定後はブーストのエリア差がほぼないような状態なので、配達単価は下がっていることも考えられます。
旧報酬体系で1.5倍ブースト以下を中心に稼働していた場合は今回の料金改定で大きな変化はなかったと数字から読み取れます。
配達距離に変化は?
配達単価はほぼ変わらないことがわかりましたが、配達距離に変化があったかを報酬金額からみてみます。
ごちゃごちゃと数式にしましたが、こんな感じで報酬から平均配達距離が計算できます。
改定前後でそれぞれ計算すると、改定前は2.29km/件、改定後2.17km/件でした。
改定後は少し(5.2%)配達距離が短くなっています。
改定を前後して梅雨入りしたことを考えると、改定後は雨が多くなり距離制限により全体の配達距離が短くなったことも要因として考えられます。
前項で配達単価はほぼ変わらない〜少し上昇したことと組み合わせると、配達距離減+報酬上昇で実質的には今回の料金改定で少しだけプラスになったと、これらのデータから読み取れます。
これらの率をかけ合わせると約5.7%の改善(配達単価上昇+配達距離減少)と計算できます。この数値が誤差の範囲なのか、しっかりとした報酬上昇なのかは断定できませんが、少なくとも改悪だったとはいえない結果です。
平均がほぼ変わらないのになぜ料金改定なのか考察
今回の料金体系の変更でのメリットはブーストがなくても安定した収入を得られるというのが一番と思います。「改定お知らせメール」に書いてあります。
今までは新規で配達パートナー登録したり、登録以外のエリアで稼働する場合1〜2週間はブーストが付かず、時間単価が1000円にも到達するのは不可能という状況でした。それを改善したのが一番だと思います。
それ以外に考えられるのは、いわゆる「タワマンインセ」(配達員用語・非公式)対策が考えられます。
タワマンインセとはタワーマンションなどの建物内でGPS電波が届きにくくなった時に、現在地がブレてその分の距離が報酬に加算される現象です。
ブーストの倍率によって実際には走行していない報酬額の加算を少なくするために、このような料金体系の変更をした可能性も考えられます。
しかしながら、長距離の配達には悪影響を及ぼしているのは事実で、長距離と短距離を組み合わせた配車がされない場合には、長距離の配達は不利と言わざるを得ません。
まとめ
今回は400件ほどのデータで比較しましたが、ほぼ変わらず〜少し上昇という結果が出ました。
今後さらに新料金でのデータが増えた段階で再度比較できればしたいです。さらにはデータを増やして曜日ごとにも比較できたらと思います。
今回の改定で東京とその他地域との格差が広がった、と僕も思い東京稼働も視野に入れようと思いましたが、今回の考察の結果を見てそれについては一旦考えないことにしました。
それでもやはり東京での稼働の方が報酬が高いのは報酬設定の金額を見てわかることなので、横浜・川崎登録で稼働されている方は、稼働エリアの選択にこの記事を参考になればと思います。